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旅に出よう(海外、その2)「マラケシュへ」

 

私は、カサブランカからは内陸にあるマラケシュという町に向かった。移動手段はバスである。バスターミナルでチケットを購入し自分の乗るバスを探すのだが、目的地はアラビア語で書いてあるので全く何て書いてあるのか理解できず、運転手に「マラケシュ?」と聞くと「NO」と首を横に振り、ちょっと離れたバスを指さしている。その指した方に駐車しているバスの運転手に同じように尋ねると、すぐ前のバスを指さしたのでとりあえず乗るバスは分かった。

 大きなバックパックは車内に持ち込むことはできず、屋根の上の荷台に乗せることになる。デイパックだけを持ちこみ適当な座席に腰を下ろした。

 エンジンがかかりいよいよ出発するというときに、一人の、年齢にすると50前後くらいであろうか、男性が乗り込んできて運転席の横でなにやら大声で乗客に向かって話し始めた。アラビア語だったので全く理解はできなかったが、最後に行った言葉だけは分かった。それは「ボン・ヴォヤージュ(Bon Voyage)!」であった。フランス語で「良い旅を!」という意味だ。きっとバス会社の人か何かであったのであろう。彼が下りると、運転手はギアを入れハンドルを大きく右に切った。

 車窓から見える風景はカサブランカの町を抜けると一変した。「タンジェ-カサブランカ」間の風景とも様相を異にしていた。片側1車線の道路の両側には荒涼とした大地が広がっていたのである。ただ、いわゆる「サハラ砂漠」のような砂地ではなく。少し大きめの岩がゴロゴロと転がっているような乾燥地帯で、比較的平坦な部分もあったが、小高い丘が続くような場所も多かった。

 ときおり民家らしきものも目にしたが、家屋と周りの大地の色が同じだったので、注意してみていないと分からないほど周りの景色に溶け込んでいた。

 私の座席の近くで、「ドン!」と大きな音がしたので、「何事だ?」と外を見まわしてみると、なんと道端にいる小学校低学年くらいのガキがバスめがけて石を投げ、当たって大はしゃぎしている。なんて危険な遊びをするガキどもだ!

 これも今でもはっきりと覚えているのだが、私の前の座席には小学校低学年くらいの男の子とその母親が座っていた。その男の子がバス酔いをしてしまったのであろう、いきなりバスのフロアに吐いてしまったのである。当然、すぐに匂って来る。母親は立ち上がり、辺りを見回すように大きな声で話している。もちろん、何を言っているかは分からなかったが、「みなさん、ゴメンナサイ!この子が吐いてしまって…」くらいの内容だったことは容易に想像ができる。

 そして、バスがブレーキをかけたり、加速するたびにその汁は拡散していった。もちろん、エアコンなどはついていなかったのでどこの窓も大きく開け放たれていたが、それでも匂って来るものである。母親は少しでも臭いを消そうと、バックから香水を取り出し大量にフロアにまいたので、バスの中は香水の甘い匂いとお汁の酸っぱい匂いが入り混じり、こっちまで気分が悪くなってきてしまった。それでも何とか5時間ほどの乗車で、バスは無事にマラケシュのバスターミナルに到着した。

 

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