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日記「拾得物(その2)」

 

「何だろう?」と漕ぐのをやめ自転車から下りて確認してみると、なんと数枚の硬貨が落ちているのである。500円玉、100円玉、50円玉、そして10円玉とざっと1,000円近くは落ちているようであった。

 「こんなところに」と思ってふと横のちょっと小高い丘を形成しているゲロピーに目をやると、なんと頂上近くに1,000円札が1枚乗っているのである。そしてよくよく見ると、そのふもと付近にも2枚ほど落ちている。

 「酔っ払ってタクシーに乗ってここで降り、気分が悪くなって吐いてしまい、タクシー代を支払った際のお釣りを落とした」ということは名探偵でない私でも容易に想像ができた。頂上のお札は真ん中あたりがゲロピーウイルスの感染を受けているようであった。そしてふもとにある2枚はその端が感染していたが、十分に治癒できる程度のもので、ゾンビ化するようなものではなかった。

 私は、まず頂上のものに手を伸ばそうとして、ちょっとちゅうちょした。一抹の不安があったからである。それは「私がお札に触れるのと同時に、周りがパッと明るくなり、一人の男性がキョロキョロしている私のもとにプラカードを持って近づいてくるのである。そしてそのプラカードにはなんと「どっきりカメラ」と書いてある」ということを想像してしまったからだ。

 「そのような可能性がこんなところであるであろうか?」「絶対ナイとは言い切れない!」と心の中で葛藤が起きた。それでも誘惑には勝てず「そうなったらそうなっただ!」と頂上の1枚を取ったが、辺りは静寂を保っていた。

 私はホッと胸をなでおろし、残りのものを拾ってその場を立ち去った次第である。お札に関しては、念のために抗ウイルス剤を注入してから使用した。いずれにしても、共に別の形のものになって私の胃の中に消えていった。

 さて、こんなことここで誓っても仕方がないのだが、お財布や、まあ可能性は非常に少ないと思うが、紙袋に入った札束などを拾った場合は必ず警察に届ける。しかし、上記の例もあるように、1,000札を拾ったからと言って届けることはないだろう。

 じゃあ、「5,000円だったらどうだろうか?」「1万円では?」などと、どうでもいいことを考える自分がいるわけである。

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